今更だけど、去年LINEを退職したときのことを書いてみる。
LINE退職とかすごい字面だけど、実際はlivedoorニュースでアルバイトしてただけなので、ネットニュース界隈の現場の仕事に興味がある方、今後IT業界で非正規雇用で働こうと考えている方の役に立ったらいいなと思う。ということで、以下ニュースメディア界隈にいたペーペー人材の退職~転職~現在について。

LINEにいたときの話

そもそも2011年に入社したときはライブドアだった。オフィスも西新宿で、昨日会見していた出澤さんが当時の社長だった。それがいつの間にかNHN Japanになり、最終的にはLINEに。在籍2年3ヶ月の間に2回も社名が変わったり、国民的人気サービスが生まれたり、そんな会社に身を置けたのはとても刺激的な経験だった。

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一昨年のクリスマスに会社から宅急便で届いたデカいぬいぐるみ。LINEはアルバイトにも優しかった。

やっていたこと


ライブドアニュースに掲載するニュースに15文字以内の見出しをつけていた。
ポータルサイト「livedoor」「ケータイlivedoor」に掲載するニュースや、
女性のためのニュースサイト「Peachy」の編集業務を担当していただきます。
大手新聞社の記事から個人のブログまで、毎日3,000本以上提供される記事をジャンル毎に選定し、ユーザーが内容に興味をもってもらえるよう見出しをつけていただきます。

編集スタッフ(livedoorニュース・Peachy等)
http://linecorp.com/ja/career/position/70
ざっくり言うとこれですね。
いわゆる記事タイトルのリライトです。愛用していた言葉は「暴露」と「告白」
あとは「ドア日」「ドアスポ」というメルマガを作ったり、「ざっくり言うと」も書いたり。

LINEニュースじゃないの?livedoorニュースって?


別物です。LINEニュースと言えば、私は自己紹介の際、相手に伝わりやすいように「前職ではLINEでニュースの編集をしていました」と話している。すると「LINEニュース!」と反応がよいのだけど、それを訂正してlivedoorニュースの話をする。いつも困惑される。

在職中のときは、livedoorニュースの話をすると「あのライブドア?ライブドアってまだあるんだ!?ホリエモンっているの?」とよく聞かれました。ちなみにそれもちょっと違う。あのホリエモンのライブドアだけど、ホリエモンはもういない。

ちなみに以下、中の人によるlivedoorニュースの説明。
2009年の内容だけど、在職中は私もこれらのことを心掛けて運用していた。

livedoor ニュースの今後の方向性


livedoor ニュースには夕刊紙っぽい、2ちゃんねる的、男性的といったイメージをお持ちの方が多いかと思います。ひょっとしたらそれに類似する部分はあるかもしれま せんが、編集部内で意識している要素は「Yahoo!ニュースに載っていない」、「タブーは関係ない」、「良い意味での不真面目さ」といった点があげられ ます。そして、トピックスへは「議論やアウトプットのきっかけになりうる一次情報」「有用な二次情報・オピニオン」を掲載していくことを運用を心がけてい ます。

発表!livedoor ニュースの提供元別ランキング
http://directorblog.jp/archives/51218600.html

PVは麻薬、ネットニュース中毒者になる


毎日3000本の記事を読んで、1日8時間ひたすら15文字のタイトルに付け替えてPVをチェックする。社会ネタや政治経済といったカタめから芸能ゴシップ、食べ物や恋愛などゆる系、あとはスポーツまでとにかく全てをチェックする。その上でlivedoorニュースの色に合って、数字のにおいがすればとにかく上げる。上げてダメならまたリライトする。それでもダメなら下げる。意外なネタが伸びたり、狙ったネタで外したり、とにかく毎日やっても飽きなかったし、どんどんのめり込んでいった。なんかギャンブル中毒者みたいだけど、あながち間違いじゃないと思う。PVは麻薬だ。ということで

身についたこと


・数字が取れるタイトルを付けられるようになった
・記事のポテンシャルを見抜けるようになった
・ネットニュースの提供元に詳しくなった
・ネットニュースのにおいが分かるようになった

最後のはちょっとカッコイイから書いた。におい分かるとか通っぽい。
livedoorニュースの運用方法は『ブランド「メディア」のつくり方』に当時まだライブドアにいた田端さんがとても詳しく書いている。2010年出版だけれどもあまり変わってないと思う。あとこの本の何がすごいって、ニュースを運用する管理画面のキャプチャが載ってる。懐かしくて泣きそうになった。気になる方はぜひ。



好きなリライト


1日100本くらいリライトしてた。
中には忘れられないものもある。尊敬する先輩のものを2個ほど。

伊からカズ「諸星ちょっと来い」
口ずさみたくなるリライト

内田、本田のFKに「あー入るぅ」
職人芸ですよ

一緒に働いていたひと


下は大学生から上だと30代の人もいた。とりあえず面白い人ばっかりでよく飲みに行ったりとかしてた。仕事もだけれど同僚にもとても恵まれていた。社員の人も変わった人が多かったけど、皆いい人ばかりだった。そしてすごくお世話になった。頭上がらない。

なぜ辞めたのか

正直、天職だと思っていたし、できることならずっと働いていたいと思っていた。けれど辞めてしまった。ざっくり理由を書いてみる。

正社員で働きたいと思った


主要トピックスをまるまる任せていただいたり裁量は大きかったけどバイトだった。オフシーズンにまとまった休みを取って海外旅行に行ったり、平日も好きなタイミングで気兼ねなく休めたり、自由だし満足度は高かったけれど、このままでいいのか?という漠然とした悩みがあった。あとは周囲からも、正社員で働いた方がいいよとたくさん言われた。

ニュースの読まれ方が変わってきたと思った


働きはじめた2011年頃は、まだガラケーを使っている人も多く、ネットでニュースを読むならYahoo!ニュース一択な雰囲気だった。当然グノシーやスマートニュースなどもなく、ゆる系のネタが読みたければ2chまとめサイトを巡回するような時代。それがいつのまにかスマホが浸透し、前述したニュースアプリやNAVERまとめなど、とにかくニュースという名のコンテンツに触れる場が増えた。にも関わらず、来る日も来る日もしこしこ15文字のタイトルを付け続けていたので、手に職つけるためにも転職した方がよいのかもと考え始めた。

新しいサービスに興味があった


一方で、グノシーやスマートニュースなど新しいアプリがどんどん生まれたり、自分が所属している会社のアプリが急成長しているのを見てワクワクしていた。それらがどのように生まれて、どのように売り上げを上げて、社会にどんな影響を与えているのか、純粋に興味があった。ネットニュース中毒者だったので、ウェブメディア界隈でないと働けないと思っていたけど、いつの間にか違う毛色の業界も気になるようになっていた。

ビズリーチの話

在職中にご縁があって、ビズリーチの方と面接する機会をいただいた。当時はビズリーチ事業がメインでzuknowニクリーチのリリース直前といったタイミング。なのでビズリーチは転職サイトを運営している会社というイメージだった。そんな中で若手向けの転職サイト「キャリアトレック」の事業プロデューサーの方とお話をすることになった。当時はまだベータ版だったキャリアトレック、いわゆる新規事業。一緒に働かない?という話になった。正直、全然知らない業界だし、最初はアルバイトからだし、不安も大きかった。けれども新規事業に携われるチャンスなんてこれを逃せば多分ないし、事業が大きくなるところも近くで見てみたいと思い、前職への未練はあったが、思い切って転職を決めた。入社前に上司となる方から「これからよろしく」的なメールをいただいたのだけど、そこに今週のボソという週替りの独自格言コンテンツが書いてあって少し不安になった。

入社後~オウンドメディア立ち上げ前


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こちらが現在のキャリアトレック。

最初は「キャリアトレック」のオペレーション部分を担当していた。リライトしかしてこなかったネットニュース中毒者には難しいことばかりで最初は本当にしんどかった。だからなんで辞めてしまったんだろうと悔やんだりもした。ただ半年くらい経って、先輩からExcelの扱い方を教えてもらい数値まわりが見れるようになった。数値が見れると、改善すべき部分が見えてきて機能改善の提案ができた。その提案が通ればワイヤーフレームを書いたり。書いたものがデザイナーやエンジニアの手によって実装されたり。そうやって皆で何かを作り上げるという経験がなかったのでとても感動した。一方でやったことない業務ばかりで頭がパンクしそうな毎日だったけど、少しずつ着実に前に進んでいる感があった。このままWEBディレクター的な人になるのかなと思っていた。WEBディレクターって名前がかっこよすぎて抵抗があるんだけど他に何て言えばいいのか分からないと悩んでいた。

オウンドメディア立ち上げ~現在


そんな中、キャリアトレックのオウンドメディアを作るという話が持ち上がってきた。昨年末のことだった。偉い人に呼ばれて行った会議室で、これから作るというオウンドメディアの編集長を紹介された。Find job! Startupで編集をやっていたと聞いてびっくり。あのはてブいっぱいのオウンドメディア。ちょうど転職を考えていた時期に、Find job! Startupをよく見ていて、それがきっかけでFind job!も使っていた。そう考えると私自身がオウンドメディアでコンバージョンした人だった。オウンドメディア楽しそう。そこからは、徐々にオウンドメディア業務の方へシフト。サイトのコンセプト作りから、サイト名にロゴ決め、普段接するメディアの当たり前のように決まっているであろうものを日々たんたんと決めていくのは楽しくもあり恐ろしくもあり。またオウンドメディアがゼロから立ち上げるのは、まるで何か生き物を育てているような感じだった。そして「日刊キャリアトレック」ローンチ。今に至る。今は記事を書いたり、編集をしたり、企画を立てたり、ライターさんをスカウトしたり、取材先のアポ取りしたり……なんでもやる。

日刊キャリアトレックで関わった記事


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こちらが日刊キャリアトレック

バーグハンバーグバーグの企画会議には「よく笑う人」と「絶対に通らない案」が必要 ~バーグ流広告コンテンツができるまで

バーグハンバーグバーグの記事がなぜ面白いのか分かりました ~常識人が真剣に不真面目をするバーグ流企画術

意識の低すぎる休日を過ごした罪悪感、どう消す?

マクドナルド創業者は、なぜ耳の裏を毎日洗い続けたのか?

モテたいなら煮物男子!女のコの胃袋をわしづかみにする10分煮魚レシピ

一緒に働いているひと


編集長
"Find job! Startup" のmixiを退職して起業しました
エイミー
KDDIを退職してビズリーチに入社しました

これからどうするの?


とりあえず頑張る。

そういえば記事を選ぶ側から選ばれる側になった


前職では記事を選んでタイトルを付けて、数字がダメなら変えたり落としたり。記事は無限にあるから、とにかく試せるだけ試してベストを尽くしていた。でも今はライターさんや取材先、色んな人と一緒にたくさんの時間をかけて1本の記事を作る。タイトルもああでもないこうでもないとすごく時間をかける。それでもどこにも取り上げられなかったり、バズらなかったりで全然PVとれなかったり。そんな記事はなぜダメだったのか検証して次に繋げようとする。ひとつの記事にかけるパワーが全然違う。どっちがいいとか悪いとかはあまり思わない。いずれにせよ数字は意識するし。ただ両方を知れたのはよい経験だとは思う。

ニュースアプリは本当に価値ある情報を流せているか
http://diamond.jp/articles/-/71464

本件の上位互換としてYahoo!ニュースからTHE PAGEへ移籍した奥村さんの記事をそっと置いておく。こういうことは本当に思う。1本1本きちんと記事を作っているとなおさら。

最後に

LINE(livedoorニュース)もビズリーチも本当に働きやすいし成長できる場所です。
ビズリーチはもちろん、livedoorニュースもおそらく募集していると思うので、 IT界隈で新しいお仕事を考えている人はぜひ!リンク貼っておきます。

編集スタッフ(livedoorニュース・Peachy等)
ビズリーチ採用ページ